2018/11/24 (土)

三大巨匠とシャーリー・ヤマグチ。又はTV出演モロモロ。


私が数人の映画人とともに語ったクロサワ、オズ、ミゾグチ三大巨匠の映画術についての番組が、本日より以下の時間帯で放映されるそうです。

●「三大巨匠 奇跡の名画<短縮30分版>」
11月24日(土)10:55〜11:25 NHK総合
●「三大巨匠 奇跡の名画<90分版>」
11月27日(火)14:40〜16:10 NHK−BSプレミアム
12月1日(土)22:10〜23:40 NHK−BS4K(開局日)
12月7日(土)19:30〜21:00 NHK−BS4K

そして三巨匠と仕事をした名撮影監督宮川一夫さんの部分を特集した「ETV特集 キャメラマンMIYAGAWAの奇跡」が12月8日(土)23:00〜24:00 NHK−Eテレ。



さらに、25日放送の「そこまで言って委員会」には三年ぶりにゲストで出演。

変化球の映画特集で「チャップリン暗殺計画」「李香蘭」「三島由紀夫の憂国」などのトークに参加。

私にとって、最初に山口淑子として「暁の脱走」で出会い、シャーリー・ヤマグチとなった李香蘭、そして彼女の銀幕デビューのお膳立てをした国策映画会社の満映についてはもっともっと語りたかった。



今回の出演で改めて、山口淑子のハリウッド・デビュー作「東は東」を見て彼女の英語力、演技力にも感銘を受けた。監督がキング・ヴィードアだから演技の引き出し方もうまかったのだろう。

1951年の作品にしては、日本人や日系人の心理描写がフェアでリアル。ジョン・スタインベックの故郷であるサリーナスを舞台に、朝鮮戦争時の戦争花嫁の「招かざる嫁」としての苦悩が活写される。「女の誇り」を踏みにじられたヒロインの、日本語での激怒のつぶやきが絶品。ドン・テイラー、キャメロン・ミッチェル以下、白人家庭の家族描写もしっかりしている。

このあと4年間、シャーリー・ヤマグチは「赤狩り」の被害者となってハリウッドを「追われる」のだが。



復活したのが1955年の「東京暗黒街・竹の家」。

公開当時は国辱映画と言われたこの作品も今回改めて見直して、昔見たときほどには「男の嫉妬フィルムノアール」の匂いを強く感じはしなかった。

が、ロバート・ライアンとロバート・スタックの際立った男ぶりと日本ロケの絵作りには惚れ直した。

我が師サミュエル・フラーの作品だから、オリエンタリズム満載のセットにも私は不快感を持たない。ざっくりした彼の資質は日本人のよき協力者がいなければこうなってしまうだろう。

とにかくアメリカに戻ってから撮ったとおぼしきセット撮影の日本語のひどさは群を抜いている。きっちりした日本語を喋るのはシャーリーと、ブルックリン・ドジャースの話を延々と続ける床屋のおばさん(!)だけ。セッシュウ・ハヤカワの日本語もお粗末。

ロバート・ライアンのギャング団のむんむんする男の匂いは、やはり当時御法度のホモセクシュアルなものをフラーは意図したのかもしれないが、キーマンの副官グリフ役のキャメロン・ミッチャルはその辺を意識できなかったのではないか。

ライアンとスタックは完璧にそのあたりを感じとっている。その部分を追求し、ギャング団の戦後日本での活動をリアルに描くことができるならばこれはリメークに値する題材だ。

サムは、白人男と日本女性が手に手をとって夕陽に向かって歩き去る(映画では五重塔方向へ歩き去る、だが)エンディングを撮ることが重要だった、と語ってくれたが、基本的にそのインターレイシャル・リレーションシップに関しては「東は東」のエンディングが先行してきっちり描いた。シャーリーの演技は役どころも含め、「東は東」より落ちる。

私の李香蘭熱は熱くなるばかりだ。彼女の「女の一生」を映画にしたい。

ノンフィクション作家の石井妙子さんが満映の生き証人岸富美子さんから聞き書きして共著とした「満映とわたし」も素晴らしい一冊だ。ここで点描される男出入りの激しかった李香蘭も面白い。岸さんの生き様にも魅了される。彼女の目撃した甘粕正彦が私が納得できる正真正銘の甘粕だとも思う。


2018/11/24 (土)

三大巨匠とシャーリー・ヤマグチ。又はTV出演モロモロ。


私が数人の映画人とともに語ったクロサワ、オズ、ミゾグチ三大巨匠の映画術についての番組が、本日より以下の時間帯で放映されるそうです。

●「三大巨匠 奇跡の名画<短縮30分版>」
11月24日(土)10:55〜11:25 NHK総合
●「三大巨匠 奇跡の名画<90分版>」
11月27日(火)14:40〜16:10 NHK−BSプレミアム
12月1日(土)22:10〜23:40 NHK−BS4K(開局日)
12月7日(土)19:30〜21:00 NHK−BS4K

そして三巨匠と仕事をした名撮影監督宮川一夫さんの部分を特集した「ETV特集 キャメラマンMIYAGAWAの奇跡」が12月8日(土)23:00〜24:00 NHK−Eテレ。



さらに、25日放送の「そこまで言って委員会」には三年ぶりにゲストで出演。

変化球の映画特集で「チャップリン暗殺計画」「李香蘭」「三島由紀夫の憂国」などのトークに参加。

私にとって、最初に山口淑子として「暁の脱走」で出会い、シャーリー・ヤマグチとなった李香蘭、そして彼女の銀幕デビューのお膳立てをした国策映画会社の満映についてはもっともっと語りたかった。



今回の出演で改めて、山口淑子のハリウッド・デビュー作「東は東」を見て彼女の英語力、演技力にも感銘を受けた。監督がキング・ヴィードアだから演技の引き出し方もうまかったのだろう。

1951年の作品にしては、日本人や日系人の心理描写がフェアでリアル。ジョン・スタインベックの故郷であるサリーナスを舞台に、朝鮮戦争時の戦争花嫁の「招かざる嫁」としての苦悩が活写される。「女の誇り」を踏みにじられたヒロインの、日本語での激怒のつぶやきが絶品。ドン・テイラー、キャメロン・ミッチェル以下、白人家庭の家族描写もしっかりしている。

このあと4年間、シャーリー・ヤマグチは「赤狩り」の被害者となってハリウッドを「追われる」のだが。



復活したのが1955年の「東京暗黒街・竹の家」。

公開当時は国辱映画と言われたこの作品も今回改めて見直して、昔見たときほどには「男の嫉妬フィルムノアール」の匂いを強く感じはしなかった。

が、ロバート・ライアンとロバート・スタックの際立った男ぶりと日本ロケの絵作りには惚れ直した。

我が師サミュエル・フラーの作品だから、オリエンタリズム満載のセットにも私は不快感を持たない。ざっくりした彼の資質は日本人のよき協力者がいなければこうなってしまうだろう。

とにかくアメリカに戻ってから撮ったとおぼしきセット撮影の日本語のひどさは群を抜いている。きっちりした日本語を喋るのはシャーリーと、ブルックリン・ドジャースの話を延々と続ける床屋のおばさん(!)だけ。セッシュウ・ハヤカワの日本語もお粗末。

ロバート・ライアンのギャング団のむんむんする男の匂いは、やはり当時御法度のホモセクシュアルなものをフラーは意図したのかもしれないが、キーマンの副官グリフ役のキャメロン・ミッチャルはその辺を意識できなかったのではないか。

ライアンとスタックは完璧にそのあたりを感じとっている。その部分を追求し、ギャング団の戦後日本での活動をリアルに描くことができるならばこれはリメークに値する題材だ。

サムは、白人男と日本女性が手に手をとって夕陽に向かって歩き去る(映画では五重塔方向へ歩き去る、だが)エンディングを撮ることが重要だった、と語ってくれたが、基本的にそのインターレイシャル・リレーションシップに関しては「東は東」のエンディングが先行してきっちり描いた。シャーリーの演技は役どころも含め、「東は東」より落ちる。

私の李香蘭熱は熱くなるばかりだ。彼女の「女の一生」を映画にしたい。

ノンフィクション作家の石井妙子さんが満映の生き証人岸富美子さんから聞き書きして共著とした「満映とわたし」も素晴らしい一冊だ。ここで点描される男出入りの激しかった李香蘭も面白い。岸さんの生き様にも魅了される。彼女の目撃した甘粕正彦が私が納得できる正真正銘の甘粕だとも思う。


 a-Nikki 1.02