2024/08/18 (日)

8月ワークショップを終えて。


8月のお盆の最中のワークショップとあって応募総数はいつもに比べて少なかった。キャンセルが数名出たこともあり最終的に受講生は25名になった。テキストが5人芝居ゆえ5の倍数にできてよかった。

今年は4月、6月にもワークショップをやって、その都度受講生の熱気を存分に浴びた。今回はちょっと違うアングルで熱気をテストしてみようという気になって、演技セッション以外に、監督への質問セッションと模擬オーディションのセッションを加えてみた。

作品毎に開催するオーディションの豊かな喜劇性を私自身が渇望していたのかもしれない。何しろ、この2年、作品を撮っていないわけだし。

別の意味では、より「学校」に近づけたかもしれない。

考えてみれば、私が敬愛する教師は、よく語りよく生徒を啓蒙する人々だった。多少脱線気味のトークから教師の情熱を感じ取ることが多々あった。


受講生は、基本的に原田映画の現場のニュアンスを嗅ぎ取ろうとしている。その現場に直結するのはオーディション風景だ。それゆえ二段階のオーディションを考えた。

一日目は課題なしの、のっぺりしたオーディション。一分間自己PRののちエチュードをやってもらった。

その日の終了時に、翌々日の第二段階オーディションの課題を発表し、私が将来やるかもしれない三つの映画企画を掲げ、原作があるものは原作名を告げた。その中から一つ選び思いの丈を語れ、と言うことだ。


二日後、その模擬オーディション・セッションになった時、受講生たちの「熱い思い」に驚き、心を打たれた。

三つの企画のうち二つは諸事情あってここでは具体的にできないが、@が私の作品歴でいうなら「関ヶ原」に近い時代モノ、Aが「クライマーズ・ハイ」に近い過去の事件モノ、Bはこのブログでもしばしば言及している私のオリジナル脚本による「ヒロシマ1945」だ。

私の作品の通常のオーディションは5人一組で面談する。今回の3本では@を指名したものが6名、Aが10名、Bが9名となり、ほぼ理想に近い6、5、5、5、4という五組の組み分けができた。


どの組にも、その企画に対する血のつながり、あるいは縁をもつものがいた。

中一日しかないのに関連書籍を読み込んだものもいた。

企画が扱う事件あるいは事象に心を揺さぶられたものたちが多かった。

初日のセッションで私が強く推薦した映画を見て来た受講生もいた。

一人一人が心の内奥を語る場となった。

五組のオーディション・トーキングを連続して聞いた後に、そのメンツでのエチュード・セッションに突入した。その切り替えと、笑いの弾け方もまた見事だった。

悲劇と喜劇が背中合わせになっている面白さを、私たち全員が体感していたのだと思う。


こういったことをベースにして後半のテキスト中心芝居の組み分けをした。

それぞれの組のアンサンブルが美しく機能していた。

全員が、刺激し合い輝きを増していた。

このうちの何人かは「ACT!」で描いた街に出てのリペティションPublic Solitudeという冒険に船出してくれるのではないだろうか。


2024/08/18 (日)

8月ワークショップを終えて。


8月のお盆の最中のワークショップとあって応募総数はいつもに比べて少なかった。キャンセルが数名出たこともあり最終的に受講生は25名になった。テキストが5人芝居ゆえ5の倍数にできてよかった。

今年は4月、6月にもワークショップをやって、その都度受講生の熱気を存分に浴びた。今回はちょっと違うアングルで熱気をテストしてみようという気になって、演技セッション以外に、監督への質問セッションと模擬オーディションのセッションを加えてみた。

作品毎に開催するオーディションの豊かな喜劇性を私自身が渇望していたのかもしれない。何しろ、この2年、作品を撮っていないわけだし。

別の意味では、より「学校」に近づけたかもしれない。

考えてみれば、私が敬愛する教師は、よく語りよく生徒を啓蒙する人々だった。多少脱線気味のトークから教師の情熱を感じ取ることが多々あった。


受講生は、基本的に原田映画の現場のニュアンスを嗅ぎ取ろうとしている。その現場に直結するのはオーディション風景だ。それゆえ二段階のオーディションを考えた。

一日目は課題なしの、のっぺりしたオーディション。一分間自己PRののちエチュードをやってもらった。

その日の終了時に、翌々日の第二段階オーディションの課題を発表し、私が将来やるかもしれない三つの映画企画を掲げ、原作があるものは原作名を告げた。その中から一つ選び思いの丈を語れ、と言うことだ。


二日後、その模擬オーディション・セッションになった時、受講生たちの「熱い思い」に驚き、心を打たれた。

三つの企画のうち二つは諸事情あってここでは具体的にできないが、@が私の作品歴でいうなら「関ヶ原」に近い時代モノ、Aが「クライマーズ・ハイ」に近い過去の事件モノ、Bはこのブログでもしばしば言及している私のオリジナル脚本による「ヒロシマ1945」だ。

私の作品の通常のオーディションは5人一組で面談する。今回の3本では@を指名したものが6名、Aが10名、Bが9名となり、ほぼ理想に近い6、5、5、5、4という五組の組み分けができた。


どの組にも、その企画に対する血のつながり、あるいは縁をもつものがいた。

中一日しかないのに関連書籍を読み込んだものもいた。

企画が扱う事件あるいは事象に心を揺さぶられたものたちが多かった。

初日のセッションで私が強く推薦した映画を見て来た受講生もいた。

一人一人が心の内奥を語る場となった。

五組のオーディション・トーキングを連続して聞いた後に、そのメンツでのエチュード・セッションに突入した。その切り替えと、笑いの弾け方もまた見事だった。

悲劇と喜劇が背中合わせになっている面白さを、私たち全員が体感していたのだと思う。


こういったことをベースにして後半のテキスト中心芝居の組み分けをした。

それぞれの組のアンサンブルが美しく機能していた。

全員が、刺激し合い輝きを増していた。

このうちの何人かは「ACT!」で描いた街に出てのリペティションPublic Solitudeという冒険に船出してくれるのではないだろうか。


 a-Nikki 1.02