2017/11/19 (日)

ホノルル・ダイアリーその1。


11/8 東宝砧撮影所で「検察側の罪人」オールラッシュ終了後成田空港へ。JL786便でホノルルに向かう。もう何年も毎年一度は必ず海外へ行っている。本年はこれが初海外。危うく記録が途切れるところだった。

早朝ダニエル・K・イノウエ空港着。入管審査官も仏頂面。職業を聞かれ映画監督だと答えると、どんな映画だ、アメリカで上映したかなどと手続きの合間に質問して来る。こういうときに一番有効なのは「LAST SAMURAIには役者として出たよ」という一言。今回も効果抜群で、途端に仏頂面が吹っ飛び満面の笑顔。憶えてる!と握手の手を差し出して来た。ハワイアンは気持ちいいよね。
ゲート到着から空港ビルを出るまで要した時間は20分。

ランチは滞在するハレクラニのORCHIDにて。ロブスタービスクがしょっぱかった。ディナーは新装なったインターナショナル・マーケットのレストラン街へ行きロンドンから来たモダン中華のYAUATCHAで優雅に食す。ディムサムも内装もおしゃれで美味。公式行事なし。



11/9 11時からホテル・スイートにて取材。ゲスト担当のアーロンや副委員長で顔なじみのアンダーソンからはジャパンタイムスの取材一本と聞いていたのだが、プレス担当によると、ジャパンタイムスの取材はなく、現地メディア6本計2時間。情報の共有ができていない。ハワイだよね。カリカリすることもない。

夜、ドールシネマにて「関ヶ原」プレミア。400席が満席。私は隣の会場でジョー・ライトの ”DARKEST HOUR” を見てから自作のQ&Aに出席。活発な質問が相次ぎ30分ほど丁寧に答える。

「ダーケスト・アワー」は第二次大戦の初期、ヒトラーと講和を結ぶべきか対決すべきかという岐路に立った英国に於ける政治闘争を描いたもの。ウィンストン・チャーチルの回顧録がベース。ゲイリー・オールドマンが特殊メイクでチャーチルを大熱演する。うまい。オスカーの主演男優賞候補にもなるだろう。が、しかし、チャーチルのしたたかさには手が届かない。オールドマンの目がやさしすぎるのだ。その分、チャーチルを嫌悪しながらも頼らざるをえない英国王ジョージ六世役のベン・メンデルソンと、チャーチル夫人クレメンティーンのクリスティン・スコット・トーマスの、優雅で細やかな感情描写にあふれた演技が目立つ。このふたりにオスカーの助演男優賞と助演女優賞を進呈したいと切に思う。ジョージ六世というのは「英国王のスピーチ」の、あのキングである。

映像的にも見どころは多々あるし、ジョー・ライトの演出は「償い」の、絶頂期に戻ったような感じもある。ただし、脚本と仇役が弱い。国民に不人気だったチェンバレン元首相と次期首相候補のハリファックスという、ヒトラーとの講和を画策する敵の描写がカリカチュアに堕して、演技の味わい、論争の深みに欠ける。弱い脚本展開を救うにはライトの技量に限界があったように思う。映像に凝ることで脚本の弱点を償えると思ったのではないか。A−。


2017/11/04 (土)

誤解するなよ、ブルックリン。


私はオリジナルの「ブレード・ランナー」は名作だと認定している。「2049」がかったるいと言っているだけ。「2019」は、中味は薄くても(つまりキャラクターが浅くても)スタイルとハートと技術があった。ハリソン・フォードがブレード・ランナーとして適役だった。野性の凄みがあった。

今回はプリテンシャス。気取って無内容。ライアンはいい役者だが、こういうクールなヒーローは単調に堕してしまう。「ドライヴ」と同じアプローチで飽きる。「ドライヴ」にはアルバート・ブルックスもブライアン・クランストンもロン・パールマンもいたよね。彼らがライアンの「無口」の引き立て役だった。

自己のアイデンティティに苦悩するブレード・ランナーを主役に据えるなら、ライアンのような繊細ナイーヴタイプをキャストしてはだめ。若き日のハリソン以上の野性的色気が欲しい。もっと致命的なのは、ハリソンには「新発見」ルトガー・ハウアという圧倒的存在感のネメシスが配置されていたのに、ライアンが相対するのはワンダー・ウーマン・オーディションで落とされた風な姉ちゃんひとり。これはオリジナルのダリル・ハンナのクラス。マイナー・リーガー。しかも、ウォーレス・コーポという巨大組織の牙を彼女ひとりに代弁させている。みみっちい。

キャスティングと人物配置で「2049」は大失敗をこいている。

ジャレド・レトはオリジナルのジョー・ターケル(キューブリック作品の常連)よりギャラが格段に高いだけで風格香華ゼロ。



ハリソンもヴィルヌーヴのガイドが悪かったのか、ハン・ソロと同工異曲。エルヴィス登場のシーンは技術が素晴らしくともデッカードを彩るポイントにはならない。ロビンの空虚さは昨日書いた。オルモスをゲストで登場させてもLAPDの組織構造がヴィジュアルで紹介されないから彼女の存在は無能無力の象徴でしかない。「革命軍」には失笑10秒。

魅力を感じたのはアナ・デ・アーマスだけ。彼女とジョーのラヴストーリーをメインのプロットにすればよかったとも思う。後半戦で唯一好きな場面はマッケンジー・ディヴィスの肉体をアナが借りるくだり。迫る相手がライアンじゃなくて、ごっつい野蛮人ヒーローだったらめっちゃ泣けたろうな。いずれにせよ、この2女優は、これから長くハリウッドで君臨すると思う。彼女たちがオスカーを争う季節もあるかもしれない。

リドリー版ではレプリカントの凄みと哀しみも駆け足だけど描かれていた。あれは光り輝くクラシック。その2019年にガンヘッドを復活させたいというのはとても凛々しい願望だと思うよ。マサヒロのブルックリンは今見ても、すがすがしいし、マーク・ハミルを「スター・ウォーズ」で復活させるよりは風格香華が出ると思う。

サイファイの世界にはいずれ戻りたいという気持ちは強いが・・・。

はて。

さて。


2017/11/02 (木)

お粗末の極北!


まさかこんなみっともないGAME7になるとはね。戦犯の筆頭はダルヴィッシュ。二番手がキッド・ベリンジャー。

ダルは三流の下の下だな。

キッドは三振を量産するばかりでなく初回のエラーでゲームのトーンを決めた。しかし、あの三振アットバットは、監督以下打撃コーチが何か助言できなかったのか?それとも学習能力が低いのか、この22才は。当然、来季はバッティングフォーム改造が論議されるだろう。スイングは美しいが、空振り率の高さもメージャー随一なわけだし。

きょうは打線も精彩なかった。得点圏に走者をおいて13打数1安打。その1安打が代打イーシアの1打点。イーシアはこれがドジャース最後の打席だろうね。さようならアンドレ。

輝いたのはリリーフのカーショーとウッド。ゲーム評価は一瞬の輝きはあっても凡作のB−。

さあ、編集に集中しよう。そのあとはハワイだ。


2017/11/01 (水)

運命の11月2日。


明日、11月2日はワールドシリーズ最終戦。

そして、殆どの劇場で「関ヶ原」の上映が終わる。最後の日くらいもう一度、どどっと劇場に観客が押し寄せてくれないか。

11月10日にはハワイ国際映画祭で功労賞を頂くので、それも少しは観客動員の助けになってほしいものだ。ホノルルでの「関ヶ原」プレミアは9日。映画祭最終日の12日にはアンコール上映もある。 現地から観客の反応を書き送ります。乞う、ご期待!

それにしてもWSのGAME6はGAME5同様、球史に残る名勝負だった。

我が映画採点でもA+の傑作。

殊に、G6はドジャースの最強ブルペン・トリオ三人が前回登板の雪辱を果たしたという意味で、ドジャー・ファンにとっては感極まる一戦だった。

明日は先発のダルヴィッシュとリリーフが予定されているカーショーが前回の不名誉を回復できるかどうかがキー。

そして打線では、我が愛するベリンジャーが、ランス・マッカラーズのブレーキングボールをしのぎ、適時打を放つかどうかが勝敗の分かれ目だ。

前回マッカラーズとの対戦では、ベリンジャー小僧はトータル10球の3三振。G6でもヴァーランダーとリリアーノ相手に合わせて4三振。

G4とG5で復活の兆しがあったものの、4三振が三試合。WSの最多三振のフランチャイズ記録を塗り替えた。

頼むぜ、コーディ!



本日の勝負の要は、5回2死満塁でヒルを降板させ、G5で、4人の打者に6球投げてソロ本塁打、シングル、ダブル、3ラン本塁打を献上したモローをマウンドに送ったロバーツ監督の決断。

G2は、この監督采配でブルペンがボロボロになり負けたのだが、今回は、ロバーツの采配で勝てた。

紙一重の勝負が続いている。ドジャースにとって7戦全てを戦うポストシーズンの死闘は、1988年NLCSの対ニューヨーク・メッツ戦以来。ギブソン、ハッチャー、ソーシャ、ハーシャイザーの活躍でこの死闘を制したドジャースはWSでオークランドAズと対戦して、G1に於けるギブソンの代打逆転サヨナラホームランという神話を生んだ。

余計なことだが、解説の斎藤隆は最悪だね。無内容だし語彙が貧弱。私は英語実況を聞いているからダメージは僅かだが。

もっとひどいのが「ブレードランナー2049」。中味がうすいのは前作もそうだったけど、少なくともだらだらではなかった。

今回は2時間49分だっけ?かったりーよ。プロットお粗末、台詞も陳腐、演技は愕然とするほどひどい。ドゥニは「メッセージ」ではいい仕事をしていたけれど、これはキャリア最悪の出来。面白かったのは最初の15分だけ。

ジャレド・レトにしろ、ロビン・ライトにしろ、組織の長としての描写がないからチンピラのヨタ話と無能な上司の小言を垂れ流しているだけの感じ。

高級レストランのコンソメスープを100倍に水増しして飲んだ味気なさ。観客がそっぽをむいて当然。B−。


 a-Nikki 1.02